犬が好きな人は多い一方で、犬が嫌い・苦手だと感じる人もいます。
犬好きな人からすると「なぜ嫌いなの?」と不思議に思えるかもしれませんが、過去の怖い体験や吠え声への不安、衛生面への抵抗、飼い主のマナーへの不満など、理由はさまざまです。
犬が嫌いなこと自体は、性格の良し悪しとは関係ありません。大切なのは、犬が好きな人も苦手な人も、互いに気持ちよく過ごせる配慮を持つことです。
この記事でわかること
- 犬が嫌いな人の割合はどれくらいか
- 犬が苦手になる主な理由
- 犬が嫌いな人は性格が悪いのか
- 犬が怖いと感じる心理的背景
- 犬好きの人が意識したい配慮
犬が嫌いな人の割合はどれくらい?

犬が嫌いな人の割合を示す調査として参考になるのが、東京都が行った「犬及び猫の飼育実態調査」です。
この調査では、犬について次のような結果が示されています。
| 回答 | 割合 |
|---|---|
| 犬が好き | 63.1% |
| 犬が嫌い | 8.7% |
| どちらでもない | 27.3% |
つまり、犬を「嫌い」と答えた人は少数派ですが、およそ10人に1人は犬が苦手だと感じていると考えられます。
また、環境省が2023年に実施した調査では、犬に限定せず「ペット全体」について尋ねた結果、ペットが「嫌い」と答えた人は12.6%でした。
| 調査 | 対象 | 好き | 嫌い |
|---|---|---|---|
| 東京都調査 | 犬 | 63.1% | 8.7% |
| 環境省調査 | ペット全体 ※哺乳類・鳥類 | 69.4% | 12.6% |
犬だけを対象にした全国最新の公的割合は確認しにくいため、この記事では犬限定の東京都調査と、ペット全体を対象にした環境省調査を分けて紹介しています。
犬が嫌い・苦手になる主な理由
犬を苦手に感じる理由は、人によって異なります。単に「かわいくない」と感じるだけではなく、過去の経験や生活環境が関係していることもあります。
子どもの頃に吠えられた・追いかけられた経験がある
幼い頃に犬に強く吠えられたり、追いかけられたり、噛まれそうになった経験があると、成長してからも犬に警戒心を持つことがあります。
特に子どもの場合、体の大きな犬や突然近づいてくる犬は、実際以上に怖く感じられるものです。その記憶が残り、犬を見るだけで緊張する人もいます。
吠え声や飛びつきが怖い
犬が好きな人にとっては元気なあいさつに見えても、犬が苦手な人にとっては、吠え声や飛びつきが大きな恐怖になることがあります。
- 突然大きな声で吠えられる
- 散歩中の犬が急に近づいてくる
- リードが長く、どこまで来るのかわからない
- 飼い主が制御していないように見える
こうした状況が続くと、犬そのものよりも「いつ何をされるかわからない不安」が苦手意識につながります。
におい・抜け毛・衛生面が気になる
犬の体臭や抜け毛、よだれ、排泄物などが気になる人もいます。犬と暮らしている人は慣れていても、そうでない人にとっては不快に感じることがあります。
特に飲食店や共用スペースでは、衛生面に敏感な人ほど犬の存在が気になることもあるでしょう。
犬アレルギーや体質への不安がある
東京都の調査では、家族に犬アレルギーがあると答えた人が7.5%いました。
アレルギーがある場合、犬が近くにいるだけで不安を感じたり、触れ合いを避けたいと思ったりするのは自然なことです。
飼い主のマナーが苦手意識につながっている
犬そのものが嫌いというより、飼い主のマナーに嫌な思いをした結果、犬まで苦手になったという人もいます。
- 散歩中のふん尿を片付けない
- リードを長く伸ばしすぎている
- 犬を人に近づけても止めない
- 吠え続けていても注意しない
- 「うちの子は大丈夫」と相手の気持ちを考えない
犬が苦手な人の不満は、犬そのものより「飼い主の配慮不足」に向いていることもあります。
犬が苦手な人は何を迷惑に感じやすい?

環境省の2023年調査では、他人が犬や猫を飼う場合に「迷惑だ」と感じることについて質問しています。
その結果、特に多かったのは散歩中のふん尿放置など、飼い主のマナーに関する項目でした。
| 迷惑だと感じること | 割合 |
|---|---|
| 散歩中の犬のふん尿放置など、飼い主のマナーが悪い | 66.1% |
| 外飼いの猫がふん尿をしていく | 39.9% |
| 噛まれるなど危害を加えられるおそれがある | 29.1% |
| 犬や猫の鳴き声がうるさい | 28.9% |
| 猫の放し飼い | 28.6% |
| 犬の放し飼い | 28.2% |
| 悪臭がする | 23.8% |
| 寄生虫や人獣共通感染症が移る心配がある | 22.7% |
この結果を見ると、犬が苦手な人だけでなく、動物に好意的な人も飼い主のマナーや生活環境への影響を気にしていることがわかります。
犬が嫌いな人は性格が悪い?
犬が嫌いだと、「冷たい人なのでは」「動物をかわいいと思えないのは変なのでは」と見られることがあります。
しかし、犬が嫌いなだけで性格が悪いと決めつけるのは適切ではありません。
犬が苦手になる背景には、次のような事情があります。
- 過去に怖い思いをした
- アレルギーや体質の問題がある
- 吠え声や飛びつきが強いストレスになる
- 衛生面が気になる
- 飼い主のマナーに嫌な思いをした
こうした理由は、人間性とは別の話です。犬が好きな人にも苦手な人にも、それぞれの感覚があります。
犬が嫌いな人はサイコパスなの?
犬が嫌いだからといって、サイコパスだと判断する根拠はありません。
犬が苦手な理由は、恐怖心や生活上の不快感、アレルギーなどで説明できることが多く、人格の問題と結びつける必要はありません。
犬が嫌いな人は「人でなし」ではない
犬好きな人が犬に強い愛情を持っているほど、「犬が嫌い」という言葉に驚くことがあります。
ただし、好き嫌いは人それぞれです。犬が苦手な人に対して過剰に否定的な言葉を向けると、かえって溝が深くなってしまいます。
犬を大切に思う気持ちと同じように、犬が苦手な人の気持ちも尊重することが大切です。
犬が嫌いな人の心理的背景とは?

犬が苦手な人の心理には、単純な好き嫌いだけでなく、恐怖・警戒・不快感・予測できなさへの不安が関係していることがあります。
「何をされるかわからない」と感じる不安
犬に慣れていない人は、しっぽを振っている姿が友好的なのか、興奮しているのか判断しにくいことがあります。
そのため、近づいてくる犬に対して、
- 飛びつかれるかもしれない
- 吠えられるかもしれない
- 噛まれるかもしれない
と感じ、距離を取りたくなることがあります。
強い恐怖は「特定の恐怖症」に近い場合もある
犬を見るだけで強い動悸がする、犬がいそうな道を避ける、近くにいるだけで強い不安が出る場合は、単なる好みの問題ではなく、強い恐怖反応として考えたほうがよいケースもあります。
米国の国立精神衛生研究所では、特定の対象に強い恐怖を感じる「特定の恐怖症」の例として、犬などの動物を挙げています。
もちろん、犬が苦手なすべての人が恐怖症というわけではありません。ただ、本人にとって負担が大きい場合は、「慣れれば平気」と軽く扱わないことが大切です。
犬嫌いにスピリチュアルな意味はある?
犬が嫌いなことをスピリチュアルな意味と結びつける見方もありますが、一般的には、過去の体験や衛生面への抵抗、犬の動きへの不安など、現実的な理由から説明するほうが自然です。
根拠のある整理をするなら、まずは「なぜ苦手なのか」を具体的に見ていくことが大切です。
犬好きの人が意識したい配慮
犬が苦手な人と共に暮らす社会では、飼い主側の配慮が欠かせません。
散歩中に意識したいこと
- 人とすれ違うときはリードを短く持つ
- 相手の許可なく犬を近づけない
- 飛びつきや吠えを放置しない
- ふん尿の処理を徹底する
- 狭い道では犬を自分側に寄せる
- 「うちの子は大丈夫」と押しつけない
犬が好きな人にとっては何気ない場面でも、犬が苦手な人には大きなストレスになることがあります。
相手が犬を好きかどうかわからない場面では、まず距離を取る配慮が安心につながります。
犬が嫌いな人と犬好きな人が気持ちよく過ごすために

犬が好きな人も、犬が苦手な人も、どちらかが一方的に我慢するのではなく、互いの感じ方を尊重することが大切です。
犬好きな人は「かわいいから大丈夫」と決めつけず、犬が苦手な人は「犬好きの人がおかしい」と否定せず、それぞれの立場を理解できると、余計なトラブルは減らせます。
犬との暮らしを心地よく続けるためにも、周囲への配慮を忘れない飼い方が大切です。
まとめ
- 犬が嫌いな人は東京都調査で8.7%
- 犬が苦手になる理由は、恐怖体験・音・におい・衛生面・マナー不満などさまざま
- 犬が嫌いなだけで性格が悪いとはいえない
- 強い恐怖は、深い不安反応として出ている場合もある
- 犬好き側の配慮が、共に暮らしやすい環境づくりにつながる
